外反母趾は現代社会でよく見られる足のトラブルです。足の親指の付け根が曲がることが主な症状として知られていますが、足の痛みだけでなく、歩行や姿勢、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。
足指の健康を保つには、足底筋の活性化や足首の柔軟性の維持が重要です。本記事では、【広島国際大学 総合リハビリテーション学部 講師の森永浩介先生】へのインタビューをもとに、外反母趾のメカニズムから足を健康に保つ予防方法、さらには5本指ソックスが足の健康にどのような良い影響をもたらすか詳しく解説します。
外反母趾とは
外反母趾は、大まかにいうと足の親指(母趾)が小指側に「くの字」に曲がり、付け根の関節が内側に突出する症状を指し、痛みを伴う足のトラブルです。
特徴的な症状としては、親指の付け根部分の痛みや靴との摩擦による炎症があげられますが、悪化すると突出した部分が腫れたり、神経が圧迫されてしびれが出たりすることも。近年では、外反母趾の患者数は増加傾向にあり、厚生労働省の調査によると1984年から2017年の33年間で約8倍に増えています。(※1)特に30-50歳代の年代に多く見られ(※2)、患者の90%以上が女性とされています。(※3)
※1)令和2年 患者調査 傷病分類編(傷病別年次推移表)II 結果の概要
※2)千葉県医師会 足の病気「外反母趾」
※3)人工関節ドットコム 外反母趾は重症化する前に足の外科医に相談を!治療選択肢は広がっています
なぜ外反母趾になるのか? 3つの主な要因を解説
外反母趾になる要因はいくつかあります。今回は、その中でも外反母趾になる3つの要因について森永浩介先生に教えていただきました。誰しもが外反母趾になってしまう可能性を持っているといいます。これら3つの要因が単独で、あるいは複合的に作用して症状が現れます。
1.足底筋の衰え
昔に比べて歩く機会が減ったことやデスクワークの増加など、現代の生活様式は足を使う機会が少なくなっています。足底の筋肉が衰えると、足のアーチを支える力も弱まり徐々に扁平足気味に。進行すると外反母趾の発症につながる可能性があります。
2.足関節の硬さ
足首の硬さも外反母趾になり得るひとつの要因。柔軟性が失われると、歩行時に足首をうまく使えず、足の前部に余分な負担がかかります。足首が硬いと、つま先が内側に向いた状態で歩くことになり、親指に過度な圧力がかかりやすくなります。
3.自分の足に合っていない靴選び
自分の足の幅に合っていない靴やハイヒールを履き続けると、足指が圧迫され自由に動かせません。その状態のまま長時間過ごすと、足に負担がかかり変形するリスクが高まります。特に、つま先の狭い靴は親指を内側に押し込む原因となり、外反母趾の発症や悪化につながりやすいといえます。
外反母趾と扁平足の関係性
多くの場合、外反母趾と扁平足は併発するケースがよく見られます。
扁平足とはかかとが内側に倒れ込むことや、足底の筋肉が緩むことで土踏まずのアーチが低下してしまう状態。
アーチは歩くときの衝撃を和らげるクッションの役割を担っています。アーチが機能しない状態のまま放置してしまうと、歩行の推進や足裏の荷重が偏ってしまい,前足部の幅が広がったり、胼胝(べんち)いわゆるタコが足裏にできたりします。
つまり、足底筋の筋力低下が扁平足を引き起こし、それが原因となり外反母趾へと進行するのです。
また、足首の動きが制限されることで、ふくらはぎの筋肉の収縮も弱くなります。ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を全身に送り出す重要な役割を担っているため、ポンプ機能が低下すると血行不良やむくみの原因になることも。さらに、姿勢の崩れは肩こりや首の痛みなど、上半身の不調にもつながる場合もあります。
外反母趾が及ぼす健康への影響
外反母趾は、足の痛みだけでなく、歩行や全身の健康にまでさまざまな影響を及ぼすトラブルです。
1.歩行への影響
理想的な正しい歩き方は、かかとから着地し重心を前方に移動させた後、つま先で地面を蹴って歩く動き方。歩行の最後に、特に足の指の中で最も太い親指もしくは一番長さのある第2指(人差し指)あたりで地面を蹴ることで、効率的な推進力が得られるとされています。
ところが外反母趾になると、母趾の機能がうまく発揮できず歩幅が短くなります。歩幅が短くなれば到着地点までの歩数が増え、一歩あたりの距離が稼げません。また足の疲労感や血液循環に影響をおよぼします。
2.痛みによる活動量の低下
外反母趾による痛みは、生活における活動量に影響するもの。足に痛みがあると、長時間の歩行や立ち仕事が困難になり、自然と運動を控えるようになります。
運動量が減ると足の筋力がさらに低下し、それにより歩行がますます困難になるという悪循環に繋がります。毎日続けられる散歩のような簡単な運動を心がけることが大切です。
外反母趾の予防と改善策
自分の体を守り、歳を重ねても元気で毎日を過ごすために、避けられるトラブルには対策をしたいところ。歩く、走る、立つなどの、基本的な日常動作の土台となる足の状態には日頃から気を配り、適切なケアを心がけることが大切です。
1.適切な靴選びとインソール
自分の足に合った適切な靴選びはとても重要です。靴を選ぶ場合は、その靴に合わせて履く靴下を身につけた状態で靴選びをすると、靴の中がきつい・ゆるいなどと言ったトラブルが回避できます。また、歩行中に足は靴の中で多少前方に移動するため、つま先部分に適切なスペースが必要です。
外反母趾で踏み返しの際に痛みがある場合はトウスプリングのある靴(つま先の上がった靴)を履いたり、足首が硬い場合は、前足部より踵部分が少し高くなった靴やインソールを選ぶと歩行が楽になります。普段、仕事でビジネスシューズやヒールなどを履く機会が多い・時間が長い場合は、休日や通勤時には足に優しい運動靴を選ぶなど、メリハリをつけると足の負担軽減ができます.
2.ピラティスとの組み合わせ
ピラティスは足底筋の活性化や足首の柔軟性向上に効果が期待できるフィットネス。もともとは戦争で負傷した兵士の療養やリハビリとして考案された運動であるため、体力がない方やケガをしている方でも無理なくできるメリットがあります。ピラティスは、インナーマッスルに意識を向けたり、足指の使い方に気をつけたりと、細かな動きを通して自分の体と向き合います。最中は、5本指ソックスを履くことで足の指一本一本の動きまでも意識でき、効果的なエクササイズが可能になります。足底筋を鍛えるピラティスと、足元をサポートする5本指ソックスを組み合わせれば、より効果的に足の健康づくりができます。
足指の健康に5本指ソックスがもたらす良い影響
外反母趾を予防するには、足底筋を鍛え、アーチを適切に保つことが重要です。そのためには、足の指一本一本が自由に動ける状態を作ることが大切なポイント。指が独立した5本指ソックスは、それぞれの指を自由に動かせるため、裸足のような自然な動きができます。土踏まずのアーチをサポートする機能を備えたものもあるため、日常生活で履いているだけで足底筋を鍛えるサポートになります。
5本指ソックスは通常の靴下を履いた時よりも親指だけをしっかりと踏み込めるため、歩行時の推進力が得やすくなります。また、指一本一本の感覚をつかみやすいため自分の歩き方に意識が向き、癖にも気づきやすくなります。
1.足指が自由に動くことの重要性
昔から、裸足で砂浜を歩く運動は足を鍛えるトレーニングとして知られています。これは、足指一本一本を使いながら砂をギュッと踏み締める動作が、足底筋を鍛えることに繋がっているから。ここで重要なポイントは、足指がそれぞれ独立して自由に動かせること。砂浜へ行かずともこの動作ができれば、日常生活でも足底筋を鍛えることができます。
特に親指の動きがポイントで、上向きの動作が(背屈)足のアーチをキープする重要な鍵。しかし、通常の靴下のようにそれぞれの足指が自由に動けない状態では、自然な動きが制限されてしまいます。そこでおすすめしたいのがアーチサポートを備えた5本指ソックス。
指一本一本を包み込み、それぞれの指が自由に動けるようサポートできるのは5本指ソックスならではの強みです。普段の生活から5本指ソックスを履くことは、外反母趾の予防や土踏まずのアーチを保つためにとても良い対策方法だと、森永先生もおすすめしています。
2.足底筋の活性化をサポート
昔に比べると歩く習慣が減った現代の生活では、足底筋を十分に使えていません。筋力低下を防ぐためにも意識的に活性化させることが重要です。5本の指を自由に動かすことができれば、小指で踏ん張ったり親指に力を入れたりと、細やかな動きができます。その動きが、足底筋を刺激し活性化へと繋がっていきます。
足元や体、特定の部位に力を入れて集中するピラティスの動きも、足底筋を鍛えるトレーニングといえます。5本指ソックスを履けば瞬時に足底筋が鍛えられて外反母趾や扁平足が即日治る、ということはありませんが、毎日の暮らしのなかで足元に意識を向ける瞬間を作ることが、トラブル改善の近道です。
knitido+のおすすめ5本指ソックスをご紹介!
本章では、外反母趾や扁平足におすすめの5本指ソックスをご紹介します。外反母趾や扁平足のメカニズム、足の骨格を鑑みても理にかなう作りになっていると、森永先生お墨付きのアイテムたちです。足のトラブルにお悩みの方はぜひ一度お試しください。
ビューティー・エアークッションシリーズ
ビューティーエアークッションシリーズは、前足部中央と中足部に配置されたエアークッションが足のアーチを支え、美しい姿勢をサポートしてくれる5本指ソックス。オリジナルのグリップ付きで、ピラティスやヨガなどの運動時にも安定した着用感に仕上げました。
足首までしっかりと覆っているため靴擦れすることなく、ピラティスやヨガなど、さまざまなスポーツを楽しめます。運動時にも美しい姿勢をサポートしてくれるでしょう。
ラン・エアークッションシリーズ
ラン・エアークッションシリーズは、エアークッションとアーチサポート機能を備え、ピラティスやヨガ、ランニングをはじめとするスポーツシーンに最適な5本指ソックスです。足裏の土踏まず部分から足底~外側のアーチ部分にかけて、オリジナル弾性糸を使用したストレッチ素材を採用し、足の安定性と持久力をしっかりサポート。足裏にもオリジナルのグリップを付け、安定した着用感を実現しています。
ラン・エアークッション マーブルメッシュ ロークルー 5本指ソックス
ラン・エアークッションシリーズのバイカラー版。機能性も担保しながら、見た目のおしゃれにもこだわりたい方におすすめな1足。基本的な機能はラン・エアークッションのマーブルメッシュと同じです。5色展開なので、さまざまなコーディネートも楽しめます。
ラン・エアークッション バイカラー アンクル 5本指ソックス
まとめ
今回は、外反母趾の原因や健康への影響、そして予防のためのケア方法まで、森永浩介先生のお話をもとに詳しく解説しました。外反母趾は足の痛みだけでなく、歩行や姿勢にも影響を及ぼし、全身の健康状態を左右する可能性があります。予防するには、適切な靴選びや日常的なケア、そして足指を自由に動かすことを意識した生活習慣が大切です。
5本指ソックスは、足の指一本一本を独立して動かすことができ、足本来の機能を引き出しやすくなり、快適な歩行をサポートしてくれます。ピラティスなどの運動と組み合わせることで、より効果的に足の健康を保てるでしょう。
knitido+では、足の健康と快適な歩行をサポートするさまざまな5本指ソックスをご用意しています。足指本来の自然な動きを取り戻し、毎日の歩行を心地よいものにするために、あなたに合った一足をぜひ見つけてみてください。
◼︎監修
森永浩介/講師
経歴:海外、国内にて義肢装具士とし勤務後、2014 年に広島国際大学総合リハビリテーション学部、リハビリテーション学科にて講師を務める。